令和という新しい時代に入ってから、私たちの食生活は、これまでの常識を覆すほどの多様化を遂げています。ただ単にお腹を満たすだけでなく、食事に楽しさや感動、そして新しい発見を求める人々が増えたことが、その大きな要因でしょう。SNSの普及も相まって、毎日のように新しいグルメトレンドが生まれ、私たちは常に新鮮な食体験に触れることができるようになりました。
特に注目すべきは、単なる「写真映え」で終わらない、本当に美味しいグルメが脚光を浴びるようになったことです。一見、派手な見た目や奇抜な盛り付けに目を奪われがちですが、その背景には、作り手の深いこだわりや、長年の研究に裏付けられた確かな技術が存在します。例えば、一時期ブームになったスイーツやドリンクも、ただ色が鮮やかで可愛らしいだけでなく、素材そのものの質や、味のバランスが非常に優れているものが多かったように感じます。
このように、令和のグルメシーンは「見た目の楽しさ」と「味の本質」が両立しているのが特徴です。私たちは、SNSで気になるグルメを見つけたら、まずその見た目に惹かれ、実際に食べてみてその美味しさに感動する、という体験を繰り返しています。食のエンターテイメント性が高まる一方で、職人が丁寧に作り上げた一品料理や、地方の隠れた名店に光が当たることも増えました。
これからの時代も、私たちの食への探求心は尽きることがないでしょう。次々と生まれる新しいグルメに心躍らせながら、本当に美味しい一皿を求めて旅をする。そんな、食の喜びを深く感じられる時代が、これからも続いていくことを願っています。
今回は、そんな令和時代に人気を博し、多くの人々の心を掴んだ、本当に美味しいグルメを厳選してご紹介します。
1. 麻辣湯（マーラータン）
令和時代に入ってから、日本の食卓に新たな旋風を巻き起こしているのが、中国発祥の麻辣湯です。単なる辛いスープ料理の枠を超え、多くのグルメ好きを虜にしています。その最大の魅力は、なんといっても「自分好みの究極の一杯」を創り出せるカスタマイズ性の高さにあります。
専門店に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが、新鮮な野菜、きのこ、豆腐、肉団子、海鮮など、多種多様な具材がずらりと並んだショーケースです。お客さんは、まるで宝探しをするかのように、その日の気分や好みに合わせて好きな具材を選んでいきます。例えば、ヘルシー志向ならたっぷりの野菜を、ガッツリ食べたい気分の日は豚肉やラム肉を多めに、といった具合です。
具材を選んだら、次にベースとなるスープの辛さや痺れ具合を調整します。ただ辛いだけではなく、花椒（ホアジャオ）の爽やかな痺れや、数十種類のスパイスが織りなす奥深い風味が食欲を刺激します。注文を受けてから目の前で調理してくれるため、一口食べれば、湯気と共に立ち上る香りと、出来立て熱々のスープが体中に染み渡ります。
このような体験は、ただ食事をするだけでなく、まるで自分だけの特別な料理を作っているかのような楽しさを感じさせてくれます。麻辣湯は、その中毒性のある味わいと、無限の組み合わせが可能なカスタマイズ性によって、令和のグルメシーンを象徴する存在の一つとなったのです。
2. 進化系ハンバーガー
令和時代に入り、ハンバーガーは単なる手軽なファストフードから、「ごちそう」へと華麗な進化を遂げました。かつては急いでかき込む食べ物というイメージでしたが、今では職人のこだわりが詰まったグルメバーガーがブームを巻き起こしています。
この進化系ハンバーガーの魅力は、その一つ一つのパーツへの徹底的なこだわりです。まず、バンズは香ばしさとふかふかした食感を両立させるために、厳選された小麦粉や独自の製法で作られています。そして主役であるパティは、粗挽きの牛肉を使い、肉本来の旨味がぎゅっと凝縮され、一口噛むたびにジューシーな肉汁が溢れ出します。
さらに、新鮮なレタスやトマト、濃厚なチーズ、そしてお店独自のレシピで作られた自家製ソースが、これらの素材を絶妙なバランスで一つにまとめ上げています。
こうしたこだわりから生まれたグルメバーガーは、もはや手で持って食べるのが難しいほど分厚いものが多く、ナイフとフォークを使って味わうスタイルも一般的になりました。まるでコース料理の一品のように、じっくりと時間をかけて楽しむ食体験へと昇華したのです。
令和のグルメシーンを語る上で、この進化系ハンバーガーは欠かせない存在と言えるでしょう。
3. カヌレ
令和時代に入って、かつてのブームを乗り越え、カヌレが再びスイーツ界の主役として返り咲いています。かつては一時的な流行と見られていましたが、今ではその洗練された味わいが再評価され、専門店が次々とオープンするほどの人気を博しています。
このカヌレの最大の魅力は、他にはない独特な食感です。銅製の型でじっくりと焼き上げられることで生まれる、外側のカリッとした香ばしい食感と、内側のしっとりもちもちとした対照的な食感が、一口で楽しめます。そして、口の中に広がるラム酒とバニラの芳醇な香りは、まさに至福の一時を演出してくれます。
さらに、令和のカヌレは、そのバリエーションの豊かさも人気の理由です。プレーンなカヌレはもちろんのこと、抹茶やほうじ茶の和風テイスト、濃厚なチョコレートやキャラメル、季節のフルーツを使ったものなど、パティシエの創造性あふれる多様なフレーバーが登場しています。
これらの進化により、カヌレは単なるお菓子ではなく、おしゃれな手土産や、仕事や家事を頑張った自分へのご褒美として選ばれる、特別なスイーツへと定着しました。見た目も美しく、その繊細な味わいは、令和のグルメシーンに欠かせない存在となっています。
4. 台湾グルメ
海外旅行が難しい時期が続いたことで、多くの人々が日本のいながらにして海外の食文化を楽しみたいという欲求を高めました。その中で、台湾グルメは特に大きな人気を集め、令和時代のグルメトレンドを牽引する存在となりました。台湾の温かくて、どこか懐かしい味わいは、日本の私たちの心と胃袋をしっかりと掴んでいます。
代表的なのは、台湾ドーナツやルーロー飯、ふわふわで大きな台湾カステラ、そしてヘルシーな豆花（トウファ）などです。
中でも特に注目されたのが、台湾ドーナツです。見た目は日本の昔ながらの揚げパンに似ていますが、一口食べると、その食感の豊かさに驚かされます。外側はカリッとしていながら、中は驚くほどふわふわ、もちもちで、軽い口当たりが特徴です。控えめな甘さが後を引く美味しさで、多くの専門店がオープンするほどの人気を博しました。
また、台湾スイーツの代表格である豆花も、幅広い層から支持されています。大豆から作られた、なめらかな口当たりのプリンのようなスイーツに、優しい甘さのシロップをかけ、タロイモやサツマイモで作られたもちもちの芋圓（芋団子）や、タピオカ、フルーツなどをトッピングして楽しみます。罪悪感なく食べられるヘルシーさと、自分好みにカスタマイズできる楽しさが、美容や健康を意識する人々から特に愛されています。
台湾グルメは、遠い異国の味でありながら、どこか安心感のある優しい味わいが魅力で、令和の時代に人々の心を癒やしてくれる存在となっています。
5. 熟成肉
令和のグルメシーンを語る上で、熟成肉の存在は欠かせません。ただ単に新鮮な肉を食べるだけでなく、手間暇をかけて肉本来の旨味を最大限に引き出すという、新しい食の価値観が広く受け入れられました。
熟成肉とは、特定の温度や湿度のもとで、肉を一定期間じっくりと寝かせることで、肉の持つ酵素の働きを促し、タンパク質をアミノ酸へと変化させる製法です。この熟成プロセスを経ることで、肉は信じられないほど柔らかくなり、噛むほどに凝縮された深い旨味と芳醇な香りが口の中に広がります。例えるなら、ワインやチーズのように、時間をかけて素材のポテンシャルを最大限に引き出した芸術品と言えるでしょう。
かつては一部の高級ステーキハウスでしか味わえない特別な料理でしたが、令和に入ってからはその状況が大きく変わりました。焼肉店や、熟成肉を使ったハンバーグ、ローストビーフを提供するカジュアルなレストランが増え、私たちの食卓にとってより身近な存在になったのです。
シンプルに岩塩を振ったり、少しわさびを添えたりするだけで、その奥深い風味を存分に堪能できるのが熟成肉の醍醐味です。令和の時代は、ただの「肉」ではなく、「時間をかけて美味しくなった肉」を味わう贅沢な文化が花開いた時代と言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたか？
今回ご紹介したグルメは、どれも見た目の美しさだけでなく、味のクオリティも高いものばかりです。令和時代は、食のトレンドを追いかける楽しさと、本当に美味しいものを追求する喜びが両立する時代と言えるかもしれません。
次に外食する際は、ぜひこれらのグルメを試してみてはいかがでしょうか。
