
令和という新しい時代に入り、私たちの働き方やライフスタイルは大きく変化しました。それに伴い、旅のスタイルも多様化しています。以前のように長期休暇をまとめて取ることが難しい方も増えましたが、だからといって旅を諦める必要はありません。週末の2泊3日を利用して気軽にリフレッシュしたり、あるいは最近注目されている「ワーケーション」として、旅先で仕事と休暇を両立させたりと、自分のライフスタイルに合わせた自由な旅の形を選ぶ人が増えています。
今回は、そんな令和の旅にぴったりな、満足度の高いおすすめの国内旅行先を5つご紹介します。
1. 豊かな自然とアートが融合する「瀬戸内」
令和の時代にぜひ訪れてほしいのが、美しい多島美が広がる瀬戸内海です。直島、豊島、犬島などに代表される「アートの島」巡りは、今や国内だけでなく世界中から熱い視線が注がれています。美術館の中だけでなく、島の自然の中に溶け込むように点在するアート作品は、訪れるたびに新しい発見と感動を与えてくれます。潮風を感じながらアート作品を巡る体験は、都会では味わえない特別な時間となるでしょう。
瀬戸内地方は、年間を通して雨が少なく温暖な「瀬戸内式気候」に恵まれています。この穏やかな気候は、アクティブな旅を求める方にも最適です。広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」は、サイクリストの聖地としても知られ、自転車で海峡を渡るという非日常的な体験ができます。フェリーに乗って島々を渡り歩くのも、瀬戸内ならではの楽しみ方です。
また、旅の醍醐味であるグルメも充実しています。温暖な気候が育む柑橘類や、豊かな漁場で獲れる新鮮な海の幸は格別です。鯛めしやカキ、讃岐うどんなど、それぞれの地域に根付いた美味しい郷土料理を味わうことができます。アート、自然、グルメと、五感を満たす旅が瀬戸内にはあります。
おすすめポイント: アート鑑賞、サイクリング、グルメ、島巡り
2. ノスタルジーに浸る「小樽」(北海道)
令和の時代に、まるで大正や昭和の時代にタイムスリップしたかのような気分を味わいたいなら、北海道の小樽がおすすめです。小樽運河沿いに佇む石造りの倉庫群は、ガス灯に照らされる夕暮れ時や夜には、一層ロマンチックな雰囲気を醸し出します。街を歩けば、その歴史的な街並みに心惹かれ、どこを切り取っても絵になる風景に出会えるでしょう。
小樽は、手作りの温かさを感じられるスポットが豊富なのも大きな魅力です。「北一硝子」に代表されるガラス工芸や、「小樽オルゴール堂」の美しい音色に包まれる空間は、旅の思い出を特別なものにしてくれます。お気に入りの品を探したり、実際に体験工房で世界に一つだけの作品を作ってみるのも良いでしょう。
さらに、小樽はグルメの宝庫としても知られています。新鮮な海産物が集まる港町ならではのお寿司や海鮮丼は、その鮮度とボリュームに驚かされること間違いなしです。また、石造りのレトロな建物を利用したカフェやレストランも多数あり、観光の合間に美味しいスイーツやコーヒーで一息つくのも至福のひとときです。街歩きで少し疲れたら、運河を眺めながらのんびりと過ごすのも小樽の粋な楽しみ方と言えるでしょう。
おすすめポイント: 街歩き、グルメ(寿司、スイーツ)、歴史的建造物、ガラス工芸
3. 歴史と新しさが共存する「金沢」(石川県)
令和の時代に訪れるなら、古都の風情と現代的な感性が融合した街、金沢がおすすめです。加賀百万石の城下町として栄えたこの街は、今もなお、その歴史と伝統を色濃く残しています。日本三名園の一つに数えられる兼六園の壮大な景色、風情ある街並みが広がるひがし茶屋街、そして往時の暮らしを垣間見ることができる武家屋敷跡など、街をゆっくりと散策すれば、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような気分を味わえます。
しかし、金沢の魅力はそれだけではありません。伝統を大切にしながらも、常に新しい文化を取り入れて進化を続けています。金沢21世紀美術館に代表されるような現代アート、加賀友禅や金箔といった伝統工芸の技術を活かした洗練された作品、そして古い町家を改装したおしゃれなカフェやショップなど、新しい金沢の顔も楽しめます。
古き良き日本の風景の中で、新しい感性に触れることができる。この伝統と革新が共存する奥深い魅力こそが、金沢が多くの人々を惹きつける理由です。歴史散策とアート巡りの両方を満喫したい方にとって、金沢は最高の旅行先となるでしょう。
おすすめポイント: 伝統文化、美術館巡り、工芸品、美食
4. 息をのむ絶景の宝庫「屋久島」(鹿児島県)
令和の時代に、心身ともにリフレッシュしたいと願うなら、世界自然遺産に登録されている屋久島への旅はいかがでしょうか。屋久島の最大の魅力は、樹齢数千年に及ぶ縄文杉に代表される、圧倒的なスケールの壮大な自然です。一歩足を踏み入れれば、苔むした岩や太古の昔から息づく巨木が織りなす神秘的な森が広がり、島の力強い生命力を肌で感じることができます。
屋久島には、初心者から上級者まで楽しめる多様なトレッキングコースが整備されています。アニメ映画「もののけ姫」のモデルになったと言われる白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)は、一面を緑の苔に覆われた幻想的な風景が広がり、訪れる人々を魅了してやみません。また、縄文杉を目指す登山道は、挑戦する価値のある特別な体験となるでしょう。
自然の中に身を置くことで、日々の喧騒から完全に離れ、心の中を浄化することができます。屋久島で過ごす時間は、単なる観光ではなく、自分自身と向き合い、新たな活力を得るための旅となるはずです。壮大な自然がもたらす絶景と感動は、きっとあなたの心に深く刻まれることでしょう。
おすすめポイント: 世界遺産、トレッキング、自然体験、パワースポット
5. 都会の喧騒から離れて癒される「竹富島」(沖縄県)
令和の時代に、心も体も癒される旅をしたいなら、沖縄の離島、竹富島がおすすめです。石垣島からフェリーでわずか10分という近さながら、そこには「これぞ沖縄」と感じさせる、手つかずの原風景が今も息づいています。
竹富島のシンボルとも言えるのが、赤瓦の屋根と、白いサンゴの砂が敷き詰められた道。島全体が国立公園に指定されており、この美しい景観が大切に守られています。ゆっくりと島を巡る水牛車に乗れば、三線の音色を聴きながら、ゆったりとした時間の流れに身を任せることができます。
竹富島の魅力は、日中の観光だけではありません。日帰りの観光客が少なくなった早朝や夕方には、静かなビーチで波の音を聴きながら散歩したり、夜には遮るもののない満天の星空を眺めたりと、心からリラックスできる特別な時間を過ごせます。デジタル機器から離れて、島の自然や時間に身を委ねる「デジタルデトックス」をしたい方にとって、竹富島はまさに理想的な場所と言えるでしょう。
おすすめポイント: ビーチ、水牛車、伝統的な街並み、リラックス

令和時代の旅の醍醐味:新しい視点で楽しむ日本の魅力
長かったコロナ禍も落ち着き、旅のスタイルが大きく変わった令和時代。以前のように「有名な観光地を巡る」「美味しいものを食べ尽くす」といった定番の楽しみ方に加え、もっと深く、自分だけの特別な体験を求める旅が増えています。
①地域の日常に溶け込む「暮らすような旅」
令和の旅で特に注目されているのが、地域の日常を体験する「暮らすような旅」です。
- 古民家や町家での宿泊: ホテルや旅館とは一味違う、その土地の歴史を感じられる宿が増えています。地域の方々との交流や、地元のスーパーでの買い物など、観光客としてではない視点でその土地の魅力に触れることができます。
- 体験プログラムの充実: 農業体験、伝統工芸品作り、漁業体験など、地域ならではの暮らしを追体験できるプログラムが豊富になりました。ただ見るだけでなく、実際に手を動かすことで、その土地の文化や人々の温かさを肌で感じることができます。
②自分だけの物語を探す「テーマのある旅」
「何となく温泉に行きたい」ではなく、「この工芸品についてもっと知りたい」「この地方に伝わる伝説の場所を巡りたい」といった明確なテーマを持つ旅も人気です。
- 御朱印巡り、聖地巡礼: パワースポット巡りやアニメの舞台となった場所を訪れる「聖地巡礼」は、趣味を旅の目的にする良い例です。共通の趣味を持つ仲間との交流も、旅の楽しみをさらに広げます。
- 食のテーマ旅: 特定の食材や料理を求めて旅をするのも面白いでしょう。例えば、蕎麦の産地を巡る旅や、その土地ならではの地酒を探す旅など、食を通じて地域の歴史や風土を感じることができます。
③テクノロジーを活用した「スマートな旅」
デジタル技術の進化は、旅をより便利に、そして豊かにしてくれます。
- 情報収集の多様化: SNSや個人のブログ、YouTubeなどで、ガイドブックには載っていないようなローカルな情報を簡単に手に入れられます。リアルタイムな情報や、より深い視点での情報を得られるのが魅力です。
- キャッシュレス化と予約の便利さ: 多くの施設でキャッシュレス決済が導入され、旅先でのお金の管理が楽になりました。また、オンラインでの予約システムが充実し、旅の計画を立てるのもスムーズに行えます。
令和の旅は、ただ観光地を巡るだけでなく、その土地ならではの文化や雄大な自然に触れることで、日々の忙しさから解放され、自分自身と向き合うための貴重な時間を与えてくれます。単なる旅行に留まらず、心と体を満たし、新たな発見や気づきを得るための旅になることでしょう。
まとめ
令和の旅は、単なる非日常の体験ではなく、自分の好奇心や探求心を満たす「自分らしい旅」へと進化しています。次に旅に出るときは、ぜひ「誰かと一緒」や「定番」ではなく、「あなただけ」のテーマを見つけて、新しい日本の魅力を探してみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した場所が、次の旅の計画を立てる際のヒントになれば幸いです。
